08年9月定例府議会意見書討論 西脇郁子

日本共産党の西脇いく子です。議員団を代表しましてただ今議題となっております意見書案14件のうち、4会派提案の「地方財政の充実強化を求める意見書案」に反対し、他の意見書案13件に賛成の立場で討論を行います。
はじめに、「原油価格高騰への抜本的対策を求めることに関する意見書案」についてです。
いま、投機マネーの横行による原油・穀物・原材料価格の高騰が、府民の暮らしと営業に深刻な事態を招いています。ある方は「危機的状況を通り越し、崖っぷちに立たされ、半歩踏み出している状況だ」といわれましたが、まさにいま寄せられている声は、悲鳴とも言うべきものです。
各分野で「激甚災害」ともいえる被害が広範囲かつ深刻に広がっており、このままでは京都経済や府民生活そのものが取り返しのつかない事態になりかねません。政府の「緊急総合対策」は、コスト転嫁による「新価格体系への移行」、省エネなど「供給力・競争力」の強化への支援が中心で、「物価高にも対応できるようにせよ」というもので、もともと販売不振で経営が困難なうえに、「燃油が2倍になった」が価格に転嫁できないと悲鳴をあげている多くの中小企業にとって、どれほどの効果があるでしょうか。多くの業者は、「競争力」を強化する前に倒産・廃業に追い込まれてしまいます。
また「新価格体系への移行」などを強調することは、原油などの異常な価格水準をあたり前のものとし、投機マネーによる不当な価格つり上げを事実上、容認するものです。今、求められているのは、経営が苦しくなっている中小業者に「新たな設備投資」などの条件をつけることなく、直接補填を含む抜本的支援を行うことです。同時に原油や穀物などの高騰の背景にある投機マネーの暴走は、国際社会とも協力しながら、「暴走を抑える」という強い政治的意思を打ち出し、大もとを断つ対策こそ必要です。是非ともみなさんのご賛同をお願いします。
次にわが党提案の「食の安全と食料自給率に関する意見書案」についてです。
有毒で、食べてはならないお米が、学校や保育園、高齢者福祉施設の給食にまで使われていました。「食の安全」がこれほど問われることはありません汚染米を不正に食用に売った悪徳業者はもとより、汚染米と知りながら、国内に流通させた農水省の責任は重大です。同時に、問題の根っこには自民党の米・農業政策があります。そのひとつは、輸入する必要がないのに、年間七十七万トンもミニマムアクセス米を輸入してきたことです。汚染米の八割が輸入米です。自民党政府は、アメリカと財界の要求に従って、「国際的な協定・WTOで輸入枠が義務づけられている」といって米を輸入してきました。しかしこれは義務ではありません。そのことは日本共産党の国会での追及に、当時の外相も農水相も認めているところです。この輸入米が膨大な在庫となって国内産米を圧迫し、米価下落の大きな原因ともなっています。
もう一つの政府・農水省の責任は、国による米業者の許認可制をなくしたことです。「規制緩和」の名のもとで、一九九四年に許可制から登録制にゆるめ、二〇〇四年には登録制も廃止しました。届け出だけで米の売買ができるようにしたことが、悪質業者の参入を招きました。米の輸入に道を開いたのは細川内閣と村山内閣であり、流通を監督する責任を完全に投げ捨てたのは小泉内閣です。「安全な食料は日本の大地から」との立場でミニマムアクセス米の輸入は中止し、自給率向上への真剣な取り組みこそ国民が求めているものです。是非ともみなさんのご賛同を求めるものです。

次に、4会派提案の「適正な社会保障の確保を求める意見書案」についてです。
今、全国で医療崩壊という事態が広がるなど、国民のくらしを支え、命と健康を守るべき社会保障が、生活苦や将来不安を増大させる大きな要因にまでなっています。その原因は、自公政権による、社会保障費予算の自然増を、毎年2200億円も削減し続け、すでに1兆6200億円も削減した社会保障費抑制路線にあることは明らかです。この路線を貫くために、障害者自立支援法や後期高齢者医療制度が導入されたこともいまや国民周知の事実となっています。
わが党は、この抑制路線を転換し、拡充へと舵を切りかえることを繰り返し求めてきましたが、いまや怒りは、大きく広がり続け、日本医師会も意見広告で「総理、まだ国民の声が届きませんか。今こそ政策を転換するときです。日本医師会は社会保障、そして国民医療を守るために、国民のみなさんと闘いつづけます」と述べるほどとなっているのです。ところが、自公政権は、「骨太の方針2008」でも、社会保障費削減方針は堅持したままとなっているのです。したがって、本意見書案を全会一致で可決し、政府に対し、その転換を迫ることは極めて重要だと考えます。
なお、本意見書案は、京都府医師会の請願に基づくもので、付託された府民生活・厚生常任委員会で全会派が一致して採択されました。このため、本来、委員会提案となるべきものであることを指摘しておきます。

次にわが党提案の「生活保護の老齢加算の廃止をやめて復活を求める意見書案」についてです。
憲法25条では、国が最低限度の文化的な生活を国民に保障する義務を負っています。ところが、老齢加算や母子加算の相次ぐ削減・廃止により、人間らしい暮らしが奪われています。「お風呂の回数を減らした」「食事の回数を1日2食にしている」「冠婚葬祭のお付き合いは絶対にできない」という声は多くの方から出されています。さらに母子家庭の場合、子どもの食事や、クラブ活動、友達づきあいなどにも支障をきたし、経済的負担だけではなく、精神的にも追い詰められています。
 国は一般の母子家庭の所得や、高齢者の年金が、生活保護基準よりも低額であることを理由に加算を減額・廃止しました。しかしそのことは生活保護基準にも満たない生活を強いられている母子家庭や高齢者の生活実態を是認し、なによりも暮らしを守る政治の責任を放棄するものです。
すでに宇治市議会や京田辺市議会、城陽市議会においても同様の意見書が採択されています。是非ともみなさんのご賛同を求めるものです。 

次に4会派提案の「難病対策の充実に関する意見書案」についてです。
難病患者は、生涯が病との闘いともいえます。原因不明で治療が困難で長期にわたるため医療費の負担は大変なものがあります。病気のために失業も余儀なくされるなど、病とともに貧困とも闘わざるを得ない状況も深刻です。国の責任において、脊髄性筋萎縮症など全ての難病患者が安心して最善の治療が受けられることと、患者と家族の治療の経済的負担を軽減することは当然のことであり、本意見書案に賛成するものです。

次にわが会派提案の「福祉・教育・暮らし充実のための地方財源の保障を求める意見書案」と4会派提案の「地方財政の充実・強化を求める意見書案」についてです。
国はこの間、三位一体改革の名で地方交付税を一方的に削減し、地方自治体の財政は極めて厳しい状況におかれています。さらにいま「地方分権改革」の名のもと、国の基準や関与の廃止が検討され、実行に移されようとしています。これは、福祉・教育の負担金・補助金の削減に繋がるなど国が国民の権利と福祉についての責任を放棄するものです。「地方分権」を言うのなら住民福祉の増進という地方自治体本来の使命と役割の発揮のための財源を保障すべきです。わが会派提案の意見書案は、国による地方交付税の削減や政府の責任放棄を許さず、地方財源の保証を求めるものであり、新たな国民負担を招き、低所得者ほど影響の大きい消費税増税の道筋を許さないものであり、国民府民の願いに応えるものです。みなさんのご賛同をお願いするものです。
4会派提案の意見書案は「自治体間の財政力格差の是正」として「税体系の抜本的な改革」を求めていますが、これは地方消費税の拡充により消費税増税に道を開くものであり、国民の新たな負担増につながり認められません。
次に4会派提案の「道路整備に必要な財源の確保に関する意見書案」についてです。
わが党は、これまで高速道路優先に10年間で59兆円をつぎ込む道路計画に反対し、道路特定財源の一般財源化と生活関連道路の整備・拡充を求めてまいりました。本府でも高速道路やそれへのアクセス道への整備が優先され、府民の願う生活関連道路整備が放置されてきました。これらを改善する立場から本意見書案に賛成するものです。
次に4会派提案の「私学教育の振興に関する意見書案」についてです。
親の経済的な理由で子どもが高校に行くことをあきらめざるを得ない、あるいは中途退学せざるを得ないという事態が府内でも広がっています。親の経済的理由で進学をあきらめなくてもいいように、また、父母負担の軽減をはかるためにも私学助成の充実は喫緊の課題であり、賛成するものです。
同時に、京都府の独自助成の強化も求められています。このこともあわせて申し添えておきます。
次にわが党提案の「新テロ特措法の延長に反対することに関する意見書案」についてです。米国によるアフガニスタンへの報復戦争は、タリバン追放後も七年近く続き、第二次世界大戦より長期化しています。民間人の死者は〇七年には千六百余人へと急増。特に米軍中心の空爆による民間人などの死者は三倍化しています。タリバンは全土の八割近くで復活し、現地で日本人NGO活動家の伊藤和也さんが殺害されるという悲劇もおこりました。
アフガニスタン情勢がますます泥沼化するなかで、軍事力でなく政治解決こそ必要だとの認識が国連やイギリス、当の米軍内でも表面化しています。アフガニスタンのカルザイ大統領自身、サウジアラビアを仲介にタリバンに交渉を呼びかけてきたことを明らかにしており、改めて「戦争でテロはなくならない」ことが証明されているのです。
にもかかわらず、麻生首相は、「国際社会の一員たる日本がその活動から手を引く選択はありえない」と自衛隊によるインド洋での米艦船への給油活動を継続しようと、新テロ特措法延長法案の審議を要求しています。従いまして、憲法違反以外のなにものでもない参戦行為を直ちに中止することを求めたわが党提案の意見書案にぜひとも議員のみなさんのご賛同を求めるものです。なお、すべては解散のためという党略的な狙いで「国政上の大問題を徹底審議する」という国会の役割を投げ捨て、採決に協力しようとする民主党に国民の理解は得られないことを厳しく指摘するものです。
最後に4会派提案の「太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書案」について賛成するものですが、自然エネルギー普及の鍵を握っているのが電力買い上げ量の拡大と固定価格買取制の導入です。このことが不可欠であることを指摘しまして私の討論を終わります。